相続放棄

2014年7月31日 木曜日

相続放棄③ 相続の承認・放棄の期間の伸長

本日で7月も終わりです。下半期も既に1ヶ月が経過してしまいました。

1年がほんと早く終わってしまいそうです。


本日は、相続放棄の熟慮期間である3ヵ月の伸長についてです。

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に放棄をしなければ単純承認したものとみなされます(民195)ので、相続放棄の申述は、3ヶ月以内にしなければなりません。

しかし、相続財産が多額・各地に分散している等の理由で3ヵ月で調査ができない場合もあります。そのようなときは、申立により

3ヶ月の期間を伸ばすことができるのです。

以下三ヶ月の期間の伸長手続の概要です。

(1)申立の時期
   自己のために相続の開始があったとこと知ったときから3ヵ月以内(民915)です。
(2)申立人
   利害関係人(相続人を含む)・検察官
(3)管轄
   相続開始地(被相続人の最後の住所地)を管轄する家庭裁判所
(4)費用
   期間伸長の対象となる相続人1人につき800円及び郵券
(5)審理
   期間の伸長は、共同相続人ごとに格別に認められ、伸長期間は、家庭裁判所が裁量によって決定します。
   考慮される要素は相続財産の複雑性、相続財産の所在場所、相続人の居住地の遠隔性などです。



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千葉市中央区登戸一丁目15番32号 キャピタル登戸4階
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2014年7月30日 水曜日

相続放棄② 被相続人死亡後3ヵ月経過した後の申述



本日は、相続放棄の補足です。

今回は、被相続人死亡後3ヵ月を経過した後の申述についてです。

被相続人の死亡から3ヵ月を経過した後の申述においては、3ヵ月の起算点である「死亡の通知を受けた日」、「先順位の相続放棄を知った日」を証する資料を添付する必要があります。

 また、通常の相続放棄申述書の他に別紙に申術の理由として、3ヵ月を経過した事情を説明する必要があります。

 なお、相続人が被相続人には債務がないと誤信して遺産分割協議をした後、多額の債務があることを知った事案について、もし

当初から多額の債務が存在することを知っていたら、遺産分割協議を行わないで相続放棄の手続をとっていたと考えられ、被相

続人と相続人の生活状況や他の共同相続人との協議内容によっては、遺産分割協議そのものが要素の錯誤により無効となり、

ひいては法定単純承認の効果も発生しないと見る余地がある場合には、相続人が債務の存在を知ってから3ヵ月以内にした相続

放棄の申述は受理すべきであると判示した裁判例があります。

 これに対して類似の事案で否定したものもありますので例示します。

「相続の承認又は放棄に係る3ヶ月の熟慮期間は、相続人が負債を含めた相続財産の全容を明確に認識できる状態になってからではなく、積極及び消極財産の全部又は一部の存在を認識したときから起算すべきものと解するのが相当であり、遅くとも相続人らが相続財産の存在を認識して遺産分割協議をした日から起算すべきである」(東京高決平14・1・16)


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2014年7月29日 火曜日

相続放棄①

本日は、相続放棄について。

相続により、不動産・預貯金等のプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も相続することになります。
プラスの財産よりマイナスの財産のほうが大きい場合、相続放棄をすることで、借金を相続することを防ぐことができます。
ただし、この相続放棄は、3ヶ月という期限がありますので、早急に手続きを取る必要があります。

(1)概要
  相続開始により自己に帰属すべき権利義務を確定的に消滅させる旨(相続放棄)の意思表示は、家庭裁判所に対して申述しなければならない(民938・939)旨が規定さております。 
 従いまして、ただ相続放棄すると表明するだけでなく、家庭裁判所に申述の手続を取らなければ、相続放棄の効力は発生しません。
(2)手続
 ①申述人
  相続人と包括受遺者です。
 ②申述期間
  相続の開始を知った時から3ヶ月以内(民915)です。 なお、相続の開始を知った時とは、相続の開始の原因事実と自己が相続人となった事実を覚知した時です。
 ③管轄
  相続開始地(被相続人の最後の住所地)の家庭裁判所(家審規99①)となります。
  例えば、千葉市でお亡くなりにたった場合は、千葉家庭裁判所になります。
 ④手数料
  申述人1名につき収入印紙800円です。その他郵券が必要です。
 ⑤添付書類
  申述人の戸籍謄本及び被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・住民票等
(3)審理手続
 ①書記官による申立書等の審査及び事件関係人に対する照会が行われます。裁判所ごとの書式による照会書が申立人に郵送
 されます。なお、照会書には、申立書に押した印鑑と同一の印鑑を押印することが要求されます。
 ②家庭裁判所は、申述が適法でかつ申述人の真意に基づくものであるときは、申述を受理します。


次回は、相続放棄の個別的事項について、まとめます。

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